そのサイズ、大だと人の顔がかくれるくらい、小でも子どもの顔くらいの大きなきつねのお面。こんがりおいしそうに焼けたこのきつねのお面はいなり煎餅は「お稲荷さん」のおみやげのなかでもなかなかの人気者です。
朱の色もあざやかな千本鳥居で知られる伏見稲荷大社は外国人が訪れたい観光地のTOPにあげられるほどですが地元でも「伏見のお稲荷さん」と親しみをこめて呼ばれる人気スポット
今では商売繁盛 家内安全などで知られていますが、その字の如く本来の五穀豊穫を願う神社として和銅年間に開かれたという歴史を持ち、全国3万軒もの稲荷神社の総本山でもあるのです。
お稲荷さんでまず迎えてくれるのはきつねです。そして境内のあちこちにもきつねが祀られ、絵馬もきつねのお面の絵馬があるほどきつねが大切にされています。
お稲荷さんのきつねは眷族と呼ばれる神さまのお使い、いわばお稲荷さんのシンボルでもあるのです。
こうばしい香りが参道に流れる煎餅屋さんの店頭では今もきつねのお煎餅が一枚一枚手焼きされています。
いなり煎餅は80年以上も前に「麦を粉にして水でこねて甘味を入れ火で焼いてつくりたる菓子を煎餅という」と古書に記されたオーソドックスな煎餅に京の白味噌と白ゴマを加え、じっくり焼きかげんを見ながら焼きあげ 独特の香ばしい風味を守っているのです。
パリッと焼きあげたきつねのお面は以外にうすくそのためにいっそう香ばしさが感じられます。かつては修学旅行生や子どもたちに人気のいなり煎餅、今ではそのインスタ映えで世界にひろがっているのです。