七月一日の吉符入りで始まる祇園祭は31日までつづきます。
祭と名はついているものの一日の吉符入りが神事の始めを意味するコトバでもわかる通り、本来は神事なのです。
しかし、七月の京都は街をあげてギオンさん一色になります。
祇園祭にあわせてこの時期だけ売り出されるお菓子も登場してきます。巡行の17日だけ売られるもの、宵山の日限定などもありますが、これは1日から17日まで毎月10組限定という粽麩まんじゅう。
開店するとすぐ売り切れるそうですが、ニッキ、道明寺、海苔の入った生麩でこしあんをつつみ、粽のかたちにして祇園祭にまかれる粽のように青々とした笹の葉でつつんで藺草できちんと仕上げてあります。
どうやら一日10組限定はこの粽麩づくりの手間のかかった仕事がその理由かもと思えるほどていねいな仕事ぶり。笹の葉の香りと生麩のもっちり感だけを味わういかにも京の味らしさにあふれたお菓子なのです。
今週に入って鉾も立ち揃い、明日からは宵山です。
かつては宵山というのは巡行の日の前日の16日だけでしたが、いつしか宵々山が増え、今では宵々々山と3日間つづきます。
日暮れとともに各鉾町ではお囃子の練習が本格的になってきます。
太鼓、笛、鉦だけのシンプルなお囃子ですが、鉦だけで一人前になるには10年かかるとされ、鉾町の子供たちは小学生に入る頃から参加している子供も多いとか。
鉾町ごとにその音色が変わると鉾町をあちこちめぐる人も多いそうで、長い歴史を持つ祇園祭ならではのさまざまな楽しみかたがあるようです。