ののすてとは、東近江市で百数十年の歴史をもつ近江上布の織屋さんでもあった野々捨商店の名前です。
十数年前、この野々捨商店が店を畳んだ時に残された近江上布の糸を先染めする時に使ったおびただしい型紙の図柄を生かしてつくられたのがののすておりがみなのです。
いわば ののすてさんちのおりがみというわけです。
近江上布とは、びわ湖の東 湖東地域で700年以上もの歴史をもつこの土地独特の美しい風合いの麻織物。伝統の高い技術から生まれるやわからな光沢を持つ近江上布は彦根藩から将軍家への献上品にもなっていたのです。
昭和52年日本の伝統芸術品として近江上布の名前で登録されました。上布とは細い麻糸で織られた上質の麻織物の意味です。
近江上布が湖東地域で織られるようになったのはこの地域を流れる愛知川などの豊富な水
のためだったのです。
麻布というのは織り上がった織物をさまざまな仕上げ工程を経ることで美しく仕上げるのですが、そのためには大量の水を必要とするためにこの土地がえらばれたのです。
近江上布の美しい柄は、細く仕上げた糸を染料で先染するわけですが使用する色の数だけ型紙を用意するために野々捨商店にはおびただしい型紙が残っていたのです。
美しい色柄で人気のあった野々捨商店の型紙の柄を生かすためにあえてモノクロにし、びわ湖の水質を守るために刈り取ったヨシから生まれたヨシ紙をつかって生まれたののすておりがみは湖国ならではの味わいで人気があるのです。