ゆうたまは四国生れのかわいく涼しげなお菓子。
ゆず 梅 すだち 山桃 そして柚香と書くゆこう、自然に恵まれた食の国・四国を代表する食材のおいしさを、まんまるの錦玉にとじ込めた いかにも今からの季節にぴったりの一品なのです。
錦玉とは寒天に砂糖を加え、煮つめたあと、冷やして固めたもの。
錦玉の透明感は水とか氷とか光を表現できると和菓子の中でも数少ない透明感が表現できる食材として、夏の上生菓子には欠かせない和菓子のつくりかたなのです。
寒天は海藻のテングサを煮つめて精製したところてんを乾燥したもの。
この寒天が生まれたのは17世紀半ばのこと。テングサを煮つめてところてんをつくる方法は遣唐使によって中国から伝えられていましたが、京都伏見のさる旅館で出来たところてんをうっかり外に出したまま、すっかり忘れていたところ、たまたま冬だったので夜の寒さで凍り、昼に溶け出し、再び夜に凍ることをくり返して、いつしか ところてんは白い乾物になっていました。
ためしに、その乾物を煮ると、ちゃんとところてんになったために、これなら必要な時にすぐ使えると冬の寒さを利用して、ところてんの乾物が生まれたのです。
そして、このところてんの料理を味わったあの穏元禅師によって漢語の冬の空を意味するコトバ「寒天」から、この寒ざらしのところてんは「寒天」と名づけられました。
ゆうたまをひとつ口に入れ、カリッとした砂糖をかむと、やわらかな中に素材の風味が口にいっぱいひろがります。
このゆうたま、観光庁が全国各地の名品の中からえらんだ「究極のおみやげ」にも四国の魅力たっぷりのお菓子としてえらばれているのです。