シャキシャキとした食感とほのかな塩味でたちまち知られるようになったアイスプラント。日本で食用とされるようになったのはほんの20年ほど前からですが、フランスなどでは早くから高級食材として食べられていました。
アイスプラントの魅力、それはシャキシャキ感と並んでふしぎな塩味です。
アイスプラントはその葉や茎の表面をおおう透明の小さなプラッター細胞と呼ばれる水泡に塩味をため込んでいるため口にするとその水泡がプチッとこわれて中の塩味がとびだしてくるために独特のちょっとしょっぱい味がシャキシャキした食感を引きたてているのです。
だからそのままサラダなどが向いています。
このアイスプラントの塩分をため込むふしぎなチカラはその生まれた大地に由来するのです。南アフリカ ナミブ砂漠は世界でもっとも古く最も乾燥した砂漠。
その過酷な自然の中でたくましく生きぬくためにアイスプラントはおどろくべき進化をとげたのです。
大地は乾燥すると水分はどんどん少なくなり土に含まれる塩分濃度が高くなるため、通常の植物は育つことができません。しかし、アイスプラントは進化の結果、塩分を含んだ水分をそのままとり込み、わずかな水と塩分を分離して塩分を葉の表面のブラッダー細胞に隔離することで生き抜いてきたのです。
このアフリカの砂漠の植物が日本に導入されたきっかけは、アイスプラントの土に含まれる塩分を吸収する機能を有明湾沿岸の塩害対策に役立てるために佐賀大学の研究チームが1985年に栽培を始めたのがスタート。
その後、食材としての開発が進み商品化されたのです。
さらに今ではアイスプラントの特徴でもあるあのキラキラした水泡はカリウム、マグネシウムなど土から吸収したミネラル分を豊富に含み、さらに血糖値を下げる働き持つ成分などほかにも有効成分が次々と見つかり食材以外への用途もひろがっているのです。