お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2018.03.09

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バイカオウレン

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春の訪れをいち早く知らせてくれる花のひとつバイカオウレンが花をつけています。
葉っぱより先に茎を伸ばし、その先に1輪か2〜3輪の可憐な小さな花をつけるバイカオウレン。
白い五弁の花びらのカタチが梅の花に似ているところから梅花黄連という名で呼ばれています。しかし梅の花に似ている白い花弁のように見えるのは花ではなく萼、花はもっと中心に黄色の小さなスプーンのように見えるのが花弁なのです。
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バイカオウレンのオウレンとは、黄色くゴツゴツした根をさしていますが、バイカオウレンは根も小さく薬草としてはあまり適しません、しかしこのバイカオウレンの仲間である黄連は日本の薬草の中でも代表的な薬草のひとつとしてすぐれた薬効を持っています。

日本ではじめての薬草についての本格的な書に「大和本草」がありますが、「大和本草」は「養生訓」で知られる貝原益軒が1708に著した書。その中にも「日本の黄連性よし。故に中華、朝鮮に日本より多く渡る。中華の書に日本黄連を良とす」と紹介していることでもわかる通り、数多い生薬の中で、日本産のほうがその薬効が中国産よりすぐれていたというめずらしい薬草なのです。

それほどまで注目された黄連には整腸作用と並んですぐれた抗菌作用があるために、抗生物質がなかった時代には大変重宝された薬草でした。さらに近年、インフルエンザなどを抑制する抗ウィルス効果も認識されているのです。

薬草の山、伊吹山にももちろん黄連はありますが、山頂のお花畑はまだ雪の中、花をつけるのももう少し先のようです。

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