バッテラは大阪では鯖ずしのこと。
その語源は、ポルトガル語で小舟をあらわすバッテーラ(bateira)。
それがいつしかバッテラと呼ばれるようになったそうです。
そのバッテーラが、生まれたのは明治24年のころ、当時大阪湾で大量にとれたコノシロの片身を酢飯にのせ、ふきんで〆た姿ずしを作ったところとても人気で、注文がさばききれなくなったために、コノシロの形に合わせた舟形の押し型を作ったのでした。
するとそれを見たお客さまが、ポルトガル語で小舟を意味する「バッテーラ」と呼んだのが始まりだとか。
バッテーラは、安土桃山時代から堺を中心に、ポルトガルとの貿易が盛んだった大阪ならではのハイカラな理由から生まれたのでした。
そしていつしか漁獲量が低下したコノシロの値上がりで、鯖を使用するようになったため、押し型も舟形から箱形に変わりましたが、この鯖ずしの呼び名もバッテラがそのままひろがり今日に至っているのです。
そのバッテラの発祥のお店が、近年大阪天満宮のそばで復活。
4代目の当主は、創業者の考案した舟型の押し型をあたらめて復元、鯖を使ってバッテーラち呼ばれた当時の舟形の鯖ずしをお店で出しています。
そして今から130年、創業者によって生まれたバッテラの歴史も知ってほしいと、あえて「バッテーラ」の名前ままでメニューにのせています。
長崎 平戸と並んで早くから海外との交流が盛んであった大阪ならではのハイカラな風土から生まれた「バッテラ」の名前にはこんな歴史があったのです。
2月もなかば大阪天満宮の梅は今、満開です。