ムクロジの名前は、種が黒いことから実黒地(みくろじ)が変化してムクロジとなったといわれています。
そして漢字は「無患子」。子どもに災いがこないの意味だそうでお正月の羽根つきの羽根についている硬く黒いたまがムクロジなのも子どもを守るためとか、ムクロジの種は数珠などにも使われます。
ムクロジの樹は神社の境内などによく植えられていますが、高さが20メートルにもなる巨木とあってムクロジの実がなっているのはなかなか目にすることがありません。
近くの神社の保護樹となっている幹廻り1メートルをこえるムクロジの大枝がたまたま低く伸びていて、その先に青いムクロジの実を見つけました。
ちょうど山椒の実をうんと大きくしたような皮はだの実は秋が深まると黄色く色づいて地面に落ちます。
このムクロジ、英語では、wash nutsとかsoup nutsと呼ばれます。
その名前の通りムクロジの実は世界中で古くから天然の洗剤、石けんとして用いられてきました。
ムクロジの実の皮や果肉の部分には天然の洗浄成分、サポニンを多くふくんでいるからなのです。
日本でも江戸時代には石けんとして用いられたそうで江戸時代に生まれた「本草綱目啓蒙」には「その外皮を俗にシャボンと呼び、油汚れの衣を洗うに用ゆ」と記されています。
自然由来ということで今、このムクロジの石けんや洗剤を愛用する人も多いそうです。
乾燥したムクロジの実を布の袋に入れて洗たく物と一緒にそのまま洗たく槽に入れて洗たくすると泡も出てきてちゃんと洗たくできるそうで、天然由来なので安心できるこのこと。
秋が深まるムクロジでの実が落ちる頃、ぜひ試してみようと思います。