二十四節気はいよいよ秋の季語の終りを告げる「霜降」を迎えます。
秋の野を彩った花もほとんど終り、枯れ葉が目立ってきた晩秋の野にひときわあざやかな青紫の花をつけるリンドウは、古くから多くの人々に愛されてきました。
「源氏物語」に記され「枕草子」にもとりあげられているリンドウ。
清少納言は枕草子に「異花(ことはな)どものみな霜枯れたるに いと花やかなる色あひにて さしいでたるいとおかし」と語っています。
そして、リンドウはその花の美しさだけでなく古くから薬草として知られています。
平安時代に記された「和名抄」には「エヤミグサ」(胃病草)と記され健胃薬としてあげられていますが、古代エジプトでも2000年以上も前から胃の薬として用いられていたのです。
リンドウの名前は漢名の竜胆をそのまま読んだものですが、その名前にはこんな由来も秘められています。
古来 苦いものの代表といえば熊の胆ですが、生薬として使われるリンドウの根はその熊の胆よりはるかに苦いところから、熊より強い竜の胆ということで「竜胆」なのです。
生薬名も「竜胆」健胃だけでなく消炎、解熱などの薬効で知られてきました。
そのこともあってリンドウの花言葉は「勝利」そのすぐれた薬効で病気に打ち勝つということからとか。
日本だけでなく世界各地で咲くリンドウは花の種類も多く春から11月まで咲きます。
しかし、やはりリンドウが似合うのはほとんどの花が終わった野で、秋のフィナーレを告げるかのように凛として咲く今の季節なのです。
昼夜の温度差が10℃近い日がつづいています。たっぷりの睡眠とバランスの良い食事、運動で日々の養生を心がけ冬に備えてください。