お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2017.12.15

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京の土

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その銘は「京の土」 なんとも大胆な銘のお菓子です。 その大きさは、表面に閉じ込められている松葉の長さが約6センチということで大きさの想像していただけるかも。

そしてその大きさにふさわしく厚みも1センチに迫ろうかという厚さ、堂々たるまっ四角の麩焼き菓子なのです。 繊細、洗練といったコトバに代表される京菓子の世界にあって、これはまさに衝撃という以外にコトバがうかんでこない迫力満点です。

「ふのやき」というのはかの千利休の残した茶会記にしばしば登場するお茶菓子でどういうものであったかは判りません。 今では京のあちこちのお菓子屋さんで独自の解釈で、ふのやきがつくられているのです。京の土もそのうちのひとつなのかもしれません。

名前は麩であってもほとんどが餅米の粉を焼いたものですが、その食感はサクッと軽く口に入れるとすぐとけてなくなるところが焼麩の食感に近いところからこう呼ばれているのかも。

堂々と四角に焼きあげられた京の土その表面に塗られた糖蜜の流れ具合が独得の景色となっていかにも土壁の風情をにじませているところなど、遊び心さえ感じさせるすごさがあります。

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「御召上りになる前に面白く手で割って盛っていただくと又、風流なものです」

そえられたコトバに京の土を手にとり割ろうとしましたが、もう少しながめていたくて少しだけ割ってみました。 表面に塗ってある糖蜜が中にまでしみ込んでそれが厚みのある断面をいかにおいしそうに見せているのです。もう少しながめていたい気のするふしぎなお菓子です。

きのうは事始め、寒さも日一日きびしく、今年は各地のスキー場も滑走可となっています。

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