まず圧倒されるのは、少し大ぶりの寿司桶一杯にあふれんばかりにのっている錦糸卵の存在感です。
海鮮ちらしを頼んだはずなのに、海鮮の姿は全く見えないという見事な思いきりの良さ。
箸をつけるのが少し気になるくらいに美しい色で繊細にきざまれた錦糸卵をそっとめくると酢飯の上に散らされた海苔の上に、少し甘味のタレにつけ込んだかのようなマグロに鯛 タコ イカ アナゴなどの海鮮がこれでもかと一面にのっています。
口に入れると酢飯とネタの少し濃い目の味をつつみ込むように錦糸卵が絶妙なハーモニーをつくり出しているのです。
このふんわり盛りあげたような錦糸卵の海鮮ちらしで今では10時開店から訪れる人がたえないほどの人気ぶりなのです。
この寿司桶からあふれんばかりにのった錦糸卵のアイデアは開店以来からのものとか
というのも、普通、海鮮ちらしというと口に入らないほどの大きなネタがこれでもかと盛りつけられているのがほとんどですが、このお店では最初から一口で食べられるようにと小さくそぎ切りにして、それを一面に敷きつめ、タレもつけてそのまま口に運べるようにしているのですが、それが美しくないということで、それではと錦糸卵ですべてをおおうという、いかにも味はいうまでもなく見た目にもこだわった京都ならではの発想からなのです。
今ではこの錦糸卵がインスタ映えすると人気を呼んでいるのですが、だれもがこの海鮮ちらしを口にすると錦糸卵が見事な味のハーモニーをつくっていることになっとくするのです。