冬空レストランの北風シェフの今日のおすすめはアンズ。
その鮮やかな赤色は、急に冷え込み、冷たい風が夜中に吹きぬけた今朝、最髙の色で届いたばかりです。
冬空レストランは晩秋から初冬にかけて、天候にあわせてオープンします。だから、風がなかったり冷えこまなかった日はクローズすることもあるのです。
木の葉は一旦、枝をはなれると、あっという間にその色があせてきます。だから冬空レストランは夜明けとともにオープンするのです。
秋が深まり色づきはじめた木の葉はフィナーレを少しでも華やかにと願うかのように天候を見きわめ、最髙の状況で枝からはなれます。
寿命がきて、枯れ落ちて土にかえるほんのつかの間になぜ、あれほどの華やかな演出をするのかはまだわからないそうです。
ところで紅葉といえば京都。もみじの名所では連日、行列がつづき「写真をとらないで下さい」「止まらないで下さい」のアナウンスが終日つづく異常さです。
桜、柿、栗、アンズ、いちょう、ハゼ、ツタ、カラマツなど晩秋から冬を迎えて数えきれないほど紅葉する植物があります。気をつけて見ると身の周りにもきっといくつか見つかります。
静かに色を楽しむなら、毎日同じポイントを自分のレストランにしておいて、日一日色を濃くしていくプロセスを楽しむのも紅葉の楽しみかたです。
植物が季節の移り変わりをキャッチして変化するように私たちのカラダも季節によって変化します。秋の深まりとともに肌がカサカサしてくるのも空気が乾燥してきたことをキャッチしたサインなのです。
東洋医学のバイブル「黄帝内経」には冬の養生は「早寝早起き」ではなく「夜は早く寝て、朝はゆっくり起きるべし」と教えています。
その理由はヒトのカラダは冷えると代謝機能がぐんと低下するために夜明けの最も冷え込む時間には起きないようにと説いているのです。しかし、そうはいってもままならない私たちのくらし、しかしこの教えは心にとめておく価値はありそうです。