お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2020.05.29

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卯の花くたし

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夏の訪れを告げる花 卯の花が咲く、ちょうど今頃、梅雨を前にしてしとしと降りつづく走り梅雨が、せっかく美しく咲いた卯の花を腐らせるかのようということで、走り梅雨は「卯の花腐し」と書いて「卯の花くたし」と呼ばれてきました。

卯の花は旧暦4月、卯月に咲くところから卯月の花が卯の花になったのです。ウツギという呼び名もありますが、こちらは幹が空洞になっているため空木の漢字があてられています。
卯の花はつり鐘形の白く小さな花がたくさんかたまって咲きます。遠目に見ると白いかたまりのように見え、ちょうど樹々の緑が日一日その色を濃くする季節なので、いっそうその白さがきわだつために、古くから雪や雲などにもしばしばたとえられてきました。
   卯の花の むらむら咲ける 垣根をば
   雲間の月の影かとぞ見る 
                 新古今和歌集
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京都などでは豆腐のおからを卯の花と呼びますが
これも豆腐の白さを卯の花に見たてて生まれたコトバなのです。
卯の花は日本に古くから自生する木ですが、その白く美しい花は垣根にもよく使われるなど、とても身近な花だったのです。

今、私たちはニュースで季節の訪れを知ることがほとんどですが、かつて季節を知らせてくれるのは花であったり、渡り鳥であったりと自然の移ろいでした。
シーボルトが卯の花を初夏を知らせる花としてヨーロッパに紹介したのも初夏を知らせる花として卯の花が親しまれてきた花だったからです。

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