年の瀬を迎えた京都錦市場は毎年お正月の買い出しの人出で早朝からにぎわうことで京都の冬の風物詩とされてきました。
しかし最近の錦は京都だけでなく東京をはじめ各地から京のお正月の食材を求めてやって来る人々が年々増えています。
さらに海外からの旅行者にとっても新しい京の見所というわけで一日中、錦は混雑をきわめているのです。
錦は今では京の台所というより食のテーマパークかと思うほどで、さまざまな料理を手に食べ歩く人の姿がたえないのです。それと同時に少しづつ錦とはちょっと場違いと思えるお店も増え、錦はどんどん変化しています。
そんな錦の中でかぼちゃを木の葉の葉脈をおもわせるように包丁を入れた木の葉かぼちゃや、花形にカットしたゆり根、梅にんじん、六方むきの海老いもなどが八百屋さんの店先に並んでいました。
本来料理屋さんの調理場で板前さんのする下ごしらえを錦ではずっと以前から八百屋さんがして売るという錦独得のやりかたなのです。
実にこまかくカットされた野菜にそえられたプレートをよく見ると「京の職人の技」特製の文字が、このお店では今もこれまで通り京野菜を一つ一つ包丁を使ってカットしているのですが、なんと今では中国で栽培されたカボチャを中国で細工した木の葉カボチャなどが冷凍で日本に入ってきているためだとか。
歴史をさかのぼると平安時代ともいわれる錦市場は近年、スローフードの発祥とされ京都市と姉妹都市でもあるイタリア・フィレンツェのサン ロレッツオ中央市場と友好協定を結びました。共に歴史のある街の食文化を支えてきた2つの市場の交流は、新しい錦市場の顔の誕生も期待されているのです。
2017年今年も一年ありがとうございました。
来年は1月5日からスタートします。これからもぜひよろしくお願い申し上げます。