透明感のある美しい黄金色をした栗納豆は、口にするのも
ちょっと躊躇するほどの美しさです。
京の台所丹波は霧が深い盆地で古くから野菜などの栽培に
最適の土地とされました。
丹波まつたけ、丹波大納言と並んで丹波栗も古くから日本を
代表する大粒の栗として丹波の名産のひとつです。
その丹波で江戸時代からつづく栗銘菓で知られる「くり屋」
の流れをくむ京都のお店で今も栗納豆は昔ながらの手づくりで
つくられているのです。
よりすぐりの大粒の栗を水から時間をかけて、砂糖だけで煮上げ、乾燥
しただけのまさに100%栗、栗のおいしさをあますところなく
閉じ込めた、一見コハク糖をおもわせる栗は、口に含むと
コクッと割れ栗の味が口いっぱいにひろがります。
栗はなんと縄文時代にはすでに食用とされ
奈良時代にはもう栽培されていたようです。
ほとんどの作物は、大陸から栽培法とともに渡って
きたものですが、日本に自生していた柴栗を栽培することで
大粒の栗にしたという数少ない作物のひとつ、それが栗なのです。
来週21日旧暦9月13日は十三夜、9月の十五夜が芋名月と呼ばれるのに対し
十三夜は栗名月、豆名月とも呼ばれ栗や枝豆をお供えします。
ちょうど栗や枝豆が出はじめる頃の十三夜は「十三夜に曇りなし」
秋の長雨も終り天気が安定し空気も澄んで
お月さまは十五夜にくらべると見える確率はとても高いと
されています。
十三夜のこの頃は農家にとっては稲刈りも終り今年の豊かな稔りを
感謝する行事でもあったのです。