近頃、気象病というコトバをよくききます。
雨が降ると古キズが痛む、天気が下り坂になると頭痛がするといった症状はこれまで、ややもすると気のせいとされていましたが、気温、湿度、気圧など天候の急変によっておこる心身の不調を科学的に解明することで、生まれてきたのが気象医学なのです。
気象医学では、気候の変化でおこる症状やカラダの不調を気象病と呼んでいます。
日本では日々のあいさつにもお天気の話題がつきものといわれるほどお天気への関心は高いのですが、気象医学の分野では早くから、気候の変化と持病の統計的な研究をはじめてきたドイツなどに比べるとまだまだとか。
ドイツでは天気予報と並んで同じくらいのスペースで気候の変化に伴う健康予報が発表されているそうです。
ただ日本でも「気象外来」ができた病院のことがニュースになったり、スマホのアプリの中には気象医学を応用した健康予報を知ることができるのもあり、気象病への取組が進んできています。
私たちのカラダで気象病に大きく関係しているのは自律神経の働きです。
自律神経はカラダの中で生命を維持するためにさまざまな調整をしています。
外気温がさがると、カラダの末梢に流れる血液を止めて内臓に集めたり、暑くなると血管をひろげ、熱を放出して、体温が上がるのを防いでカラダを守っているのも自律神経の働き。
10月というのは日によって急に気温が高くなったり、寒くなったりと温度差がはげしい日がよくありますが、こうした天候の急変は自律神経の対応が追いつかなくなるため、気象病がよくおこります。