これはお漬けものです。
菜乾と名づけられたふしぎなお漬けものです。
お漬けものは生きものとよくいわれるように、樽の中で一日一日味が変わっていきます。その一番おいしい時期にあげて、すぐ食べれるよう刻んだあと、フリーズドライしてあるのがこの乾燥お漬けものなのです。
食べものを保存し、又おいしくする方法として天日干しというのがありますが、これから寒くなる日々は天日干しの季節。寒く乾いた風を利用して寒天や凍み豆腐など、たべものを保存できるように、又おいしくするための寒ざらしは古くから伝えられたくらしの知恵。
そのくらしの知恵を人工的にさらにパワーアップしたのがフリーズドライという加工法、一旦凍らせた食品を真空状態の中におくことで食品の水分を昇華させて食品を乾燥させます。水分をなくすことで軽量となるため宇宙食や登山食などに利用されてきました。1970年代からインスタント食品の急増で、ラーメンの具とか味噌汁など次々と利用されてきました。
フリーズドライの特徴は味そのもの、おいしさそのものまでを閉じこめ水分を加えることですぐもとにもどるという点です。
たくわんは刻んであり、日野菜、野沢菜、加茂なすのしば漬けなど、色もそのままでパリパリ。
お茶漬けに、おにぎりに、焼き飯に、もちろん水を加えて本来のお漬けものとして味わえます。
樽から出してすぐ食べられるのが常識のお漬けものをフリーズドライしたその発想が新しい味を生んだのです。
このお漬けもの、軽いということもあって今、海外へのおみやげとしても今人気とか。