京の七月といえば祇園祭
祇園さんと京都では親しみをこめて呼ばれる祇園祭は、疫病退散を願うお祭りですが、
いまだに終焉の見えない新型コロナウイルスのため、去年につづいて今年もメインイベントの山鉾巡行は中止、しかし世界へ新型コロナウイルスの収束を願う祈りが届くよう神事のみが静かに行われます。
ユネスコの世界遺産にも登録されている山鉾巡行は平安時代、
大流行した疫病退散を祈った「祇園御霊会」で、
災厄をもたらす疫病神を鎮めるために町内を練り歩いたのがその始まりとされています。
本来、八坂神社のお祭りである祇園祭には、山鉾巡行の他にも7月に入ってすぐ、祭全体の無事を祈願する「吉封入り」に始まって、7月31日の夏越祭まで行事が次々とつづきます。
そして、長い歴史のある祇園祭とあって、この時期だけ売り出されるいくつものお菓子が登場します。
そのひとつ「祇園まもり」は八坂神社の石段下すぐ近くの祇園町で、江戸時代からつづく老舗から売り出されます。
調布と呼ばれる白い求肥を、うすく焼いた少し甘いカステラ生地でつつんだもの。
「唐花木瓜」と「三つ巴」の八坂神社の御神紋が焼き印で押してあり、姿カタチの端正な祇園さん定番のお菓子なのです。
東京オリンピックをひかえて、東京は4度目の緊急事態宣言となり、オリンピックは無観客開催になりそうです。なんと一年半をこえてつづくコロナ禍、本当に来年こそは来年こそはコンチキチンのお囃子にのってくりひろげられる「動く美術館」ともいわれる、山鉾巡行が見たいものです。