ほんの少し前の暑さがウソのように朝晩は涼しくなってきました。
夏の間、日本列島に居座っていた太平洋高気圧に北のほうに押しあげられていた梅雨前線が、大陸の高気圧に押されて秋雨前線として日本列島に停滞しはじめ、雨模様の日がつづいています。秋の長雨です。
スコーンと晴れたいわゆる秋の晴天はもう少し先。しかし秋の行事はもう始まっています。かつては運動会、遠足などお天気が気になると登場した「てるてる坊主」も今ではスマホで刻々と雨雲の動きまでわかるようになって、その出番もめっきりへっているようです。
世界一空がきれいというハワイの標高4205mのマウナケア山の山頂は世界各国の天文台が13もある天体観測のメッカ。
ここには世界で最先端のすばる望遠鏡をすえた日本の国立天文台があります。
この天文台、日本だけでなく世界の天文学者に門戸を開放しているため、ここを訪れる研究者は多いのですが、なかなかのせまき門。
観測目的をそえて申し込むときびしい審査と何倍もの競争率をクリアーする必要があります。パスすると無料で施設が利用できるとあっていつも人気、そのために1チームが使用できるのは通常1日〜数日間なのです。
しかし、いくら天候が良いハワイといっても自然が相手。一年以上も待って、その日天候が悪ければアウトとあって、観測室の天井にはこれまで訪れた研究者たちが祈りをこめて作ったティッシュペーパーでつくった「てるてる坊主」がいくつも吊るされているのです。
今では外国の研究者にも「てるてる坊主」のパワーが注目とか。
子供たちのお願いをかなえているだけでよかった「てるてる坊主」。今では世界の科学者のお願いまでうけとめているのです。