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2018.11.09

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第70回正倉院展

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古都奈良の秋の風物詩ともいわれ近年は20万人をこえる人が訪れる正倉院展が今年も開かれています。
今年はなんと第70回を迎えました。

正倉院展は1946年、終戦の翌年、戦後日本の幕開けを象徴するかのように、始めて正倉院宝物を一般にひろく公開する「正倉院特別展」として開かれ、以来好評の中、70年の歳月を重ねてきたのです。

756年聖武天皇がなくなられたあと、光明皇后が聖武天皇ゆかりの遺愛の品々を大仏に献納されました。
そのすべてを収納するために建築されたのが正倉院、全長33m、高さ14m、奥行き9.4mの校倉造の宝物庫。

今では「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されています。
この正倉院に収蔵されている宝物は約9000点、これまで展示された宝物は5000点をこえ今年も56点の宝物が展示されています。

シルクロードの終着駅とも呼ばれる正倉院には遠くペルシャやインドそして中国の宝物が遣唐使などによって日本に運ばれたもの。
今年の正倉院展を飾るのは、ヤコウガイや琥珀、トルコ石を使った鏡「平螺鈿背八角鏡」(へいらでんはいのはっかくきょう)をはじめ数多くの始めて公開される宝物も数多いのです。

その展示品の中で奈良時代の社会や生活をかいま見ることができる正倉院文書が、訪れた人の目をひいていました。
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そのひとつ仏典を書写する写経所の反故の中にあった「月借銭解」(げつしゃくせんげ)。
月借銭とは月ごとに一定の利息のかかる借銭、月借銭解は写経所の職員などが前借りをする時に出した書類であり、借用証書、金額や利息、返済誓約書でもあったのです。
ちなみに金利は月1割3分となかなかの高利だったようです。

はるばる海を渡ってきた宝物はいうまでもなく残っていた反故に至まで、正倉院宝物は
そのひとつひとつが1200年をこえてはるかな時代を読みとくまさに貴重な宝物といえるのです。

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