毎月21日は京都の人が「弘法さん」と親しみをこめて呼ぶ弘法大師の御縁日、ゆかりの東寺では恒例の市が開かれます。その弘法さんの中でも12月21日は「終い弘法」と呼ばれ、最もにぎわいます。
東寺に近い京都駅から西に向かうと朝早くから人の列が、そのままずっと弘法さんに向かってつづいています。終い弘法ともなると、お店の数は1000軒をはるかに越え、一日で数十万人の人が、京都市内だけでなく、近県から集まります。最近目立つのは外人の多いこと、そして若い人の姿も目立つようになりました。
広い境内はそれこそ、人人人。びっしりと並んだお店に弘法大師をおまつりしているところにたどりつくのもなかなかです。お詣りの人の線香の煙が大きく立ちのぼる金堂の前も人でいっぱい、その人気ぶりが伺えます。
そして、お詣りのあとは縁日が待っています。
せまい通路が右に左に曲がり、どこまでも迷路のようにつづくなか、お正月の松やお花を売るお店、おせちの野菜を売るお店。しかし弘法さんといえばやはり古美術など陶器を売る店ときもの洋服を売る店が目立ちます。
ここで買った骨董が本物だったとかという話は今もつきません。
これだけあればきっと本物や掘り出しものがあるとおもわせるだけのお店の数には圧倒されます。
十分使われた大工道具、一昔も二昔前のブロマイド、時計だけを並べたお店など、お宝の迷路はどこまでもつづくのです。
この弘法さんと並んで京の縁日を代表するもうひとつが「北野の天神さん」こちらは菅原の道真公の誕生日であり、なくなられた日という25日がこちらも大変な人出。
京都では弘法さんが晴れると天神さんは雨、弘法さんが雨なら天神さんは晴れ、といいつがれています。ちょうど五日のずれということで天気の移り変りは、意外に的中するからふしぎなのです。