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2018.11.30

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興福寺 中金堂落慶

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ライトアップされた光の中に天平の美を再現した興福寺中金堂がうかびあがります。
発掘調査から数えると30年の歳月をかけて再建された中金堂の落慶を記念して実現した「中金堂ライトアップ」
刻々と変化する光の中に大らかな姿を見せる中金堂は1300年前の興福寺の壮大な伽藍配置をイメージさせてくれるのに十分な存在感をただよわせています。

天平時代の傑作、阿修羅立像をはじめ日本の国宝仏像彫刻の13%、17件もの仏像を安置する奈良興福寺は天平時代和銅3年(710)平城遷都とともに藤原氏の氏寺として創建された天平文化を今に伝える代表的な寺院です。

中世には大和国を統治し、江戸時代には2万石の大名格に任ぜられるほどの強大な権力のもと、興福寺は通常の寺院とは違う独自の文化を生み出してきました。
しかしその一方でたび重なる戦火にも見舞われ、今残る最も古い建物は鎌倉時代の北円堂だけなのです。

その興福寺の伽藍の中で中核をなす中東西の3つの金堂の中でも中心となる中金堂は創建以来7度も焼失再建をくり返し、江戸時代に消失の後は仮堂のままだったのが今回300年ぶりに8度目の再建が実現しました。
今回の再建にあたっての調査で建物の基壇の66個の基石のうち64個が創建時のまま残っていることがわかり、それをそのまま生かすことでより創建当時のスケールそのままの中金堂の再建が実現したのです。
天平時代への回帰をテーマに進められた中金堂再建のプロジェクト。
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初冬の空のもと独得の朱色が美しい中金堂は私たちをはるか1300年の時空をこえて天平という時代へと誘ってくれるのです。

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