春は桜、花は桜とばかりに、この季節 私たちの周囲には桜グッズがあふれています。
桜ほどその季節をシンボリックに語る植物はありません。
きわめて短い花の期間ということもあって、花の咲くずっと前から桜の話題がつづくのです。
きのう15日、四国の高知では高知城の三の丸にある標準木に5〜6個花がつき、全国のトップを切って今年の桜の開花宣言が発表されました。
例年より約一週間早い開花とかで、寒い寒いといっていた冬から一転、春はかけ足でやってきたようです。
世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
在原業平
桜ときくと私たちの心は我事のように気持ちがわくわくするのはなぜなのでしょう、日常生活にも「○○の桜はもう見頃」「あすこの桜はまだつぼみ」と桜の話題がたえません。
桜のなかでもヤマザクラとかエドヒガンなどは古くから日本列島に自生している桜で毎年季節の移り変りを正確によみとり花を咲かせるところから農作業にとっては実に頼りになる存在でした。
桜のツボミのふくらみ具合で種をまくとか、花が咲いたら田植えをはじめるなど、日々の農作業には欠かすことのできない実に頼りになる農事暦でもあったのです。
この頼りになる桜は、私たちが今 目にするソメイヨシノと違って実に長命で数百年なかには、千年をこえて人々の暮らしに深くかかわってきました。
山里の暮らしのシンボルのような桜は、一本桜と呼ばれその桜をたづねる旅が今ブーム、桜の季節にはあちこちの山里めざして、多くの人々が訪れています。