桜の霞払いのように、桜に先行して開きはじめたあんずのツボみが春の雨の降り止むのを待っています。
春のこの時期は意外に雨が多く、そのため雨を表現することばがとても多いのです。
春雨、花の雨、甘雨、育花雨、花しぐれと文字通り状景が目にうかぶようなコトバがいくつもあります。
そんななかに蛙目隠(かえるのめかくし)というのもあります。
なんでも新潟県のある地方で使われてきた言葉とか、ちょうど冬眠からめざめた蛙が春の雨で視界がさえぎられても何事もなかったように大きな目玉を見開いてじっとしている姿に農作業のシーズンを迎えた恵みの雨を表現したコトバなのです。
東京では21日に全国のトップを切り、桜の開花宣言が出ました。
来週は京都も桜のシーズンを迎えそうです。
桜の美しさを求めて桜前線の北上にあわせてキャンピングカーで日本列島を一ヶ月以上もかけて桜の追っかけをする人たちも多いとか。
花といえば桜といわれるようになったのは平安時代以来、千年をこえて日本人に親しまれてきた桜には何か特別のチカラがあるようで桜ときくと誰もがうきうきしてきます。
きくところによると、ヒトのDNAの中には何を心地よいと感じる感性があらかじめセットされているそうです。
日本人にとって桜はそのひとつなのかもしれません。この説でいうと桜に心ウキウキするのはDNAが正常に働いているということがいえそうです。