お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2020.01.03

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赤山禅院

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赤山禅院の拝殿の屋根の中央には、御幣をかついで鈴を手にした猿がちょこんとのっています。
遠目に見てもなんともふしぎな光景ですが、赤山禅院は平安京の鬼門の方向にあたるために、方位除けとして近江へ日吉大社の神猿が、ここに置かれているのです。

鬼門とは北東の方向をさし、古くからこの方角は鬼が出入りするところとされ、表鬼門と呼び、忌むべき方角とされてきました。
日本には、十二支がありますが猿は方角としては鬼門の反対側の西南をさすところから、猿には邪気をはらうチカラがあるとされ、鬼門除けとされてきました。
赤山禅院の神猿はここから御所の表鬼門をお護りする大切な役割を受けもっているのです。
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比叡山のふもとの修学院の地は京都とはいえ、静かな山の中。ここに比叡山の別院として平安時代にひらかれた赤山禅院は、御所の表鬼門を守るほかにもうひとつ比叡山 延暦寺の荒行「干日回峰行」にも大切な役割をになっています。

干日回峰行は、天台宗の修行の中でもきびしさは格別で山川草木すべてに仏性があるとして、比叡山の峰々をめぐりあらゆるものに礼拝するもので、その名の通り七年間かけて千日間、約4万キロをめぐる行です。
その6年目からは、比叡山の峰々をめぐる行に加え、比叡山から雲母坂を下り、赤山禅院の赤山大明神にお花を供える「赤山苦行」が始まります。そして七年目には、一日の行程が84キロにも及ぶ京都市内をめぐる京都大廻りが加わりますが、赤山禅院は干日回峰行の大切な舞台、今でも赤山禅院の住職は、代々干日回峰行を達成した、大阿闍梨がつとめられているのです。

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