お灸を知る・使うせんねん灸 moxaブログ

2019.05.31

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麦嵐

mugi
間もなくの梅雨入りを迎え、近江平野のあちこちに黄金色に色づいた麦畑がひろがります。初夏の近江を彩るおなじみの風景です。
この黄金色に麦が収穫期を迎え色づいて来る今頃の季節の呼びかたに麦秋があります。
秋というコトバの語源には穀物の成熟、収穫の時という意味があるところから、麦がちょうど黄金色に色づく今頃は麦の秋「麦秋」。「麦秋」は初夏の季語なのです。
見わたすかぎり黄金色の景色がつづくかと思うと周囲の田んぼはすっかり田仕事が終り、水も入り始めて田植の準備ができた水田の間に黄金色のカーペットを敷いたように麦畑が点在する風景があちこちで見ることができるのも、滋賀県は麦の生産量全国第4位だからなのです。

かつては秋、稲の収穫が終わると麦の種をまき、田植前に収穫する米と麦の二毛作が日本の農業でしたが今では麦は北海道と一部の県をのぞいてはわずかにつくられるだけというなかで滋賀県は頑張っているのです。

その黄金色の麦畑を渡る風の呼び名に「麦嵐」というのがあります。辞書によると麦嵐とは、初夏、黄金色に色づいた麦畑を吹きぬけるさわやかな風と記されています。
風はさわやかでもすっかり熟して重くなった麦の穂は風に吹かれて右に左に大きくゆれてあたかも嵐のように見えるところからこう呼ばれてきたのでしょうか。
黄金色に見事に色づいた麦畑の一角だけは、無事稔りの秋を迎えた麦達があたかも歓喜のダンスをしているかのような光景がいつまでもつづくのです。

近畿ではもはや死語になりそうな「麦秋」「麦嵐」の風景を見せてくれる近江の麦畑。あと一週間もすると
すっかり熟したその麦は刈り取られ、田んぼはあわただしく田仕事をすませて水が入り田植えが始まります。
そして近江平野は梅雨の季節を迎えるのです。

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