世界遺産 嚴島神社の大鳥居が70年ぶりの大改修工事を終え、再び朱塗りの美しい姿で海上にあらわれました。
海に浮かぶように見える神社として知られる嚴島神社はながい歴史の中でたえず修復を重ねることで1000年をこえて創建時の美しい姿を今日に伝えているのです。
その歴史は古く推古天皇の時代とされていますが、嚴島神社がひろく世間に知られるようになったのは平安末期、武士としてはじめて天下人となった平清盛が平家一族の守り神として嚴島神社を深く信仰し、社殿の建設を願い出て、ほぼ現代の壮大な嚴島神社を完成させたことで天下に知られることになったのです。
瀬戸内海にうかぶ宮島とも呼ばれる厳島は島全体が御神体とされていたため、清盛は島には一切手をつけず島の入江の海上に社殿を建設したのです。
海に映える美しい朱塗りの200メートルをこえる回廊によって結ばれた社殿をはじめ高舞台 平舞台などが神々しい島の緑を背景として海上にうかぶように見える姿はまさに荘厳、歴史絵巻のように訪れる人を魅了してきたのです。
そして火焼前から海上160mのところに立つのが嚴島神社のシンボルとも呼ばれるのが今回修復を終えた大鳥居。
その高さ16.6m、主柱の根本の周囲9.9mのくすのきの巨木でつくられ、木造の鳥居としては日本最大、現在の鳥居は9代目です。長い歴史の中で忠実に再現をくり返し創業当時の姿を今に伝えているところから建物はいうに及ばず、おびただしい美術工芸品など国宝、重文がめじろ押し、日本の歴史と文化を伝える博物館ともいえる存在なのです。
G7広島サミットに集まった世界の首脳たちもそろって訪れた嚴島神社は日本を訪れる外国人がぜひ訪れたいスポットとしてあげられているのです。
平成8年に世界遺産に認定されている嚴島神社。
まさに人類の遺産ともいうべき存在なのです。