そのかわいさから100万種ともいわれる昆虫の中で世界中で人気のあるテントウムシ。
漢字で書くと天道虫、天道というのは太陽のこと。草花の茎をつたって上へ上へと登って頂上までたどりつくと、パッと天に向かってとび立つその習性からあたかも太陽に向かっているように見えるところから神さまに近い虫ということで名づけられたようです。
テントウムシがあの小さなカラダの何倍もある羽を点のある固い「サヤ羽」の下に畳み込んでいざという時にパッと開く秘密が、今年日本の研究チームによって、解明され、世界中で話題になりました。
テントウ虫の羽は、丸みのある固い「サヤ羽」と、ふだんはその下に折り畳んで収納されている「うしろ羽」と呼ばれる透明のうすい羽から成り立っています。
そのうすく大きなうしろ羽が必要な時、あたかも人工衛星の太陽電池のパネルのようにパッとひらいて、着地したあとは再び固い「サヤ羽」の下にするすると折り畳んで収納されるかを解明するために研究チームはわずか1センチにも満たないナナホシテントウ虫の背中の固い羽を、ネイルアートに使われる光硬化樹脂でつくり、透明の「サヤ羽」に替え、飛行と羽の収納を高感度カメラで撮影に成功したのです。
そのメカニズムは、引きだした時はまっすぐに伸びる巻き尺などに使われる「テープスプリング構造」の原理が小さなカラダの中に仕込まれ、折れ線にしたがって、おしりを上下に振動することできれいに折り畳んでしまわれていたのです。
テントウ虫は、あのかわいい小さなカラダの中に「羽を開いてとぶ」「羽を折り畳んで収納する」という二つの動作をきわめて正確に一日に何十回も規則正しくつづけているのです。
又 てんとう虫は野菜や果物栽培の天敵アブラムシが大好物とあって今 無農薬栽培の強い味方と歓迎されてもいるのです。