「プチムッチャー」は、ヨロン島(鹿児島県大島郡与論町)で古くからつくられてきた「よもぎ餅」のこと。
━「プチムッチャー」とは
旧暦8月15日(9月17日)十五夜の豊年祭には、家々で「プチムッチャー」がつくられ神様に供え、無病息災を願う風習があります。
「プチムッチャー」は、一般的なよもぎ餅のように餡は入っていません。カタチも長方形。
「プチムッチャー」は、もち米粉に島に自生する「よもぎ」とミネラルたっぷりの黒糖をつきまぜ、長方形にして月桃(げっとう)の葉で包み 蒸し上げたもの。お餅というより団子なのです。
━「月桃」の葉
たっぷりの「よもぎ」で濃い緑色をした「プチムッチャー」は、「よもぎ」の香りと黒糖のやさしい甘さ、そして包んでいる月桃の葉の香りが特徴。
月桃は、しょうが科の植物。抗菌、防腐、消臭などの働きがあり、本州の笹の葉のようにヨロン島では餅を包むなど、さまざまなことに使われます。
旧暦3月3日に行われる浜下りは、新生児の足を海につけ身を清め、すこやかな成長を願います。
ヨロン島だけでなく奄美群島や沖縄などでもひろく行われている島ならではの行事。
━ヨロン島 伝統の味
この浜下りにも「プチムッチャー」はつくられ神様に供え、親戚にもくばられます。
ヨロン島では、古くから「よもぎ」には、厄除けの力があるとされ、「プチムッチャー」はさまざまな行事に欠かせない島のたべものなのです。