日本列島をかけぬけた嵐のような風雨でちょうど開きはじめた八重桜のツボミがたくさん落ちました。
桜は去年の夏から花の準備をして、厳しい冬の寒さでの目を覚ましやっと開花期を迎えたというのに、
散った桜におもいをはせてかなしくて、今朝は桜粥をつくりました。
白粥のあたたかみのある白さに、桜の花びらのさくら色がよく似合います。
ところで桜というと私たちはだれもがこんなにもウキウキした気分になるのはふしぎです。
なんでも生物にはあらかじめ何に快、何に不快を感じるかなどはあらかじめDNAの中にプログラムされているそうです。
桜の花に誰もが心ウキウキするのはそのせいという説もあります。
その説でいくと桜にウキウキするのはヒトの持つ感性が正常に働いているともいえるのです。
近頃、日本の桜の美しさにあこがれて、桜の開花にあわせて日本にくる海外の人も増えているそうで、なかにはよく知られた一本桜ばかりも求めて日本列島を旅する人もいるとか
有名な桜の名所はどこも人人人です。京都では、去年の秋に紅葉で「立ち止まらないで」「写真とらないで」という事態がニュースになりましたが、桜でもおこっているようです。
桜のシーズンはいつの時代も人出はあったようで、かの兼好法師は「花は盛りに 月は隈なきをのみ見るものかは」と満開の桜だけが桜ではなく咲きはじめや散りぎわの桜も風情があるといいつつも、その一方で
見えぬ人に咲きぬと告げむ程だにも
立ち去りがたき花のかげかな
と美しく咲いた桜のとりこになる心境をこうもうたってもいるのです。
名残りの桜粥で今年の桜もフィナーレかも、花粉症の話題が再びにぎやかです。