今日は節分、京都ではセツブンソウが小さな花をつけています。
節分はその字の通り、冬と春を分ける日、暦の上では冬はこの日で終わり、明日は立春、春の始まりです。
セツブンソウは日本に古くからある花で、かつては関東以南の各地に群生していたそうですが、その花の可憐な美しさが人気を呼び乱穫され 又、自生地の開発などでどんどん姿を消して、今ではレッドデータブックでは絶滅危惧類に入っています。
一面冬枯れの林の中 深い落葉の間から周囲をうかがうかのように姿を見せるセツブンソウ。
その白い花の花弁、実は花ではなく萼弁で、花弁は退化して、花の中心近くの密槽と呼ばれる黄色のまあるいツブになっています。
セツブンソウの学名はエランシス。ギリシャ語で「春の花」。厳寒の真冬に芽を出し春のきざしをキャッチして花をつけ、他の植物がちょうど新緑を迎えた頃には茎が枯れ、地中の球根だけで夏から秋にかけて休眠する、いわゆるスプリングエフェメラル、春の妖精と呼ばれています。
同じような花にはカタクリ、フクジュソウ、バイモ、ショウジョウバカマなどがありますが、いずれも一年のうち、わずか3ヶ月ほどだけ地上に顔を出す花なのです。
去年の春から地中でねむりつづけながら、季節の変化を読み取り周到に準備して真冬に芽を出しやっと今、花をつけるセツブンソウと同じように、私達のカラダも気づかないうちに季節の移り変りにあわせてゆるやかに変化しているのですが、昨今の私たちの暮らしは一年を通じて寒さ暖かさをコントロールして、快適な環境で暮らしていても外は夏は夏、冬は冬の季節がめぐっているため、カラダがそのギャップにとまどい、自律神経の乱れからさまざまな症状をひきおこすことになるのです。