それが異常気象のせいなのか、昨今12月に入ってもまだ紅葉のシーズンがつづいています。
暦の上では早や「小雪」ですが、コロナ規制が一部緩和されたこともあって、本来12月というのは一年の中で観光客の少ない月なのに今年は大変な人出の京都。
ライトアップされた紅葉スポットなどは入場制限がつづいています。
とはいえ12月の声をきいて、さすがに最低気温も一桁の日が増え、日に日に12月らしさが近づいてきました。
京の冬の訪れを知らせるTOPは、南座の「まねき上げ」。
京の冬の風物詩「吉例顔見世」に出演の歌舞伎役者の名前の書かれた長さ1.8m 幅30cmの檜板に、大入りを願ってすき間を少なくした勘亭流という独得の書体で書かれた大看板が、南座の正面に上げられます。今年は上方の人間国宝 片岡仁左衛門さんをはじめ、出演者54人の看板が上げられました。
顔見世は今年はコロナ対策で昼夜二部制のところを三部制にして5日から始まります。
そして12月には、嵯峨法輪寺の「針供養」や千本釈迦堂の「大根焚き」など冬を告げる行事がつづきます。
かつて着物も布団もすべて手で縫っていた生活の中で「針仕事」は大切な仕事でした。一年間お世話になって、折れたり使えなくなった針に感謝して、豆腐やこんにゃくなどに刺して供養する行事が「針供養」。
そして「大根焚き」は、冬野菜の代表 大根に梵字を書き、加治祈祷して大釜で炊きあげ、病気除けとして人々にふるまった鎌倉時代からつづく行事です。
こうしてあわただしく暮れてゆく12月というのはまさに師走というコトバがぴったり。
第8波の声もきこえてくるコロナ時代。
健康を自分のこととして考え、日々の「養生」を意識した生活が、今こそ大切な時代なのです。