日本のソウルフードと呼ばれるおにぎり。
赤ちゃんの離乳食から始まり、子どもから大人まで、私たち日本人は生涯にわたり数えきれないほど、たくさんのおにぎりを食べています。
「おにぎりはお母さんの味」とよくいわれますが、ある調査(※1)によると、お母さんがにぎるおにぎりの数は、1年間に平均228個となっています。
その一方で「おにぎりはコンビニで買う」と答える人が多くなってきました。
歴史をたどると、石川県にある弥生時代の遺跡で発見された、蒸した餅米を固めて焼いたチマキの炭化したものが、現存する最初のおにぎりとされています。奈良時代には「常陸国風土記」に握飯(にぎりいひ)の記述もあります。江戸時代になると旅が一般的となり、おにぎりはファーストフードとしていっそうひろがったようです。
かつて、おにぎりといえばずっと長い間、梅干しの入った塩おにぎりが竹の皮につつまれていました。
「梅干し」の殺菌作用と塩分補充の働きと、「竹の皮」には竹特有の抗菌性があることから生まれた、おにぎりを保存するための生活の知恵だったのです。
2013年、和食が日本の伝統的な食文化として無形文化遺産となり、日本食への関心が広まるとともに「Sushi」「Tempura」などと並んで「Onigiri」も国際語になってきました。
アメリカやフランスでは、今やおにぎりの専門店が次々とオープンし、おにぎりブームだそうです。
面白いことに、フランスで作られるおにぎりの具は、生ハム、クレソン、クリームチーズやムール貝とパセリなど、フランス風にアレンジされたものが多く、新しいおにぎり文化が生まれています。
今、日本でもおにぎりの専門店が続々と生まれていますが、東京では1950年代創業の伝統的なおにぎり屋さんがミシュランに認定され、さまざまな国からいらした海外旅行者の行列が続いています。
おにぎりは、世界の食文化の中で受け入れられ、一つのジャンルとして認められつつある存在なのです。
[出典]
全国おにぎり事情を大調査! 年間平均約228個…「おにぎりの個数」は“西高東低”!? 83%が悩み…「おにぎりの具材のマンネリ化」は全国共通(PRTIMES)2017年3月23日