春の陽気がますます増えてきました。
冬のあいだ、寒さから身を守るために背中を丸めた「猫背」姿勢も、気温が高くなるにつれ、背すじが伸びてくるはずです。
でも、ガンコな冷えがあると呼吸も浅く、ゆるまない。
伸びようとするのにゆるまない。かえって、首や肩、背中がつっぱる。
なんだか冬よりも冷えるような感覚も。
そして、4月は新学期、新年度です。
新しい生活は緊張する場面が多く、肉体的にも、精神的にも負担が増えます。
交感神経がたかぶって、余計につっぱります。
冷えを温め、柔軟なカラダとココロでいること。
それが春の養生です。
ヨーロッパでは、古くからさくらんぼの種をあたためて小さな袋に入れ冷えたお腹やカラダにあてて保湿パックとして使ってきました。
チェリーピローをレンジでチンするとさくらんぼの種の中に閉じこめられた空気もあたたまり種の保湿効果で心地よいあたたかさが持続する
とてもやさしい保湿グッズなのです。
<4月>卯月(うづき)
卯月は旧暦の4月に、卯の花が咲くことから卯月と呼ばれていたのが、今もそのまま使われています。
この季節、花が咲き蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く頃と暦の上ではこう記されています。
しかし 桜の花時でもある4月の天候というのは「花曇り(はなぐもり)」というコトバもあると通り、意外にも曇りが多いのです。
「花曇り」は春の季語。
冬の曇りのように暗く重い雲がたれ込めるのではなく、薄雲が空をおおい、かすかに日ざしをさえぎるほどの明るい曇り空のこと。
光をやわらかくして、桜の花のやさしい美しさを引き立てている曇りのこととも言われています。
この「花曇り」の別の言い方には、「養花天(ようかてん)」もあります。
こちらはその字の通り、桜のつぼみがふくらみ、花がひらくのを、やさしい光で見守っている曇りという意味なのです。
曇り空をあらわすコトバさえ、桜を意識してきた日本人の桜に対する思い入れは、今も昔もとても強いのです。