お灸事典

よもぎ
世界中でハーブの母と呼ばれる「よもぎ」
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よもぎ餅
よもぎもち
今では日本のソウルフード
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春一番に芽を出す「よもぎ」の若葉を使ったよもぎ餅は、その香りで春を知らせる食べものとされてきました。

今では、餅につき込まれた「よもぎ」の豊かな香りと、包まれた餡のほどよい甘さで、一年中ひろく人気のある食べ物となっています。

アイヌ民族にとって「よもぎ」は、この世に最初に登場した草と言われてきました。

その強い香りは、邪気を払うといわれています。

よもぎ餅のルーツ

古代中国では3月3日の上巳(じょうし)の日に、「よもぎ」と同じキク科のハハコグサを餅につき込んだ草餅を食べる習慣がありました。その香りで疫病除けとしたのです。

平安時代になるとこの習慣が日本に伝えられ、3月3日に草餅を日本でも食べるようになりました。

その後、室町時代に入る頃から、「よもぎ」がその香りの強さと緑色の鮮やかさで、ハハコグサに変わり草餅の材料として使われるようになりました。



ご当地のよもぎ餅

「よもぎ」は餅との相性がよく、餅につき込まれることが多いことから、「もち草」の名もあるほど、今では全国各地によもぎ餅があります。

岩手県の「よもぎまんじゅう」、熊野本宮(和歌山県)の「釜餅」、熊本県の「ふつもち」、鹿児島県の「かしゃもち」など、その名前だけでなくご当地らしさを盛り込んだよもぎ餅がいくつもあるのです。

春一番に芽を出し香り高く春を知らせてきた「よもぎ」は餅と出逢うことで、よもぎ餅となり、今では日本のソウルフードとなっているのです。

宗 懍 著、荊楚歳時記、東洋文庫、1978年02月、246p
稲垣栄洋 著、身近な雑草のゆかいな生き方、草思社、2003年07月、303p



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