患児家族仲間に支えられた入院生活
榮島さんの長男・四郎くんが発病したのは、東日本大震災があった2011年のこと。3歳の時でした。幼稚園から頭が痛いといって帰ってきたのがはじまりで、嘔吐や身体のだるさが続くなか、当初は胃腸炎と診断されたそう。その後も症状が回復せず、セカンドオピニオンをもらい、水頭症の手術をして一度は退院するも、翌年小児がんの脳腫瘍と診断され、4か月の入院生活を送りました。
「息子が入院して、右も左も分からずに、放射線治療にも不安を感じていた時、病院の先生方もですが、おなじ患児家族仲間のご両親に、本当にお世話になったのです。大丈夫だよ、治療は一瞬ですぐ戻ってくるからねとか、野菜ジュース用意しておくといいよとか、色々なアドバイスをくれて、すごく支えてもらいました。」
四郎くんは無事に手術と放射線治療を終えましたが、退院後もときどき病院に通う生活をしています。またさまざまな後遺症がのこり、成長ホルモンが出ないため、家で注射を打ったり、ものを覚えるのが苦手だったり、疲れやすいなどの症状もあります。現在は高校生になりますが、がんの治療を終えたばかりの頃は、体力もなく階段を登るのがやっと、毎日絵を描いたり、工作をしたり、散歩をしたり、お灸をして過ごしていたといいます。